川久保玲【ファッション偉人図鑑】第1章後編
【後編】
経営者としての川久保玲
経営者としての川久保玲とは
どういった人物なのでしょうか。
川久保はあるインタビューにおいて、
自身のことを
「ファッションデザイナーとは思っていない」
という発言をしいます。
これは服好きや、
川久保のことを知っている人であれば、
誰でも驚く発言だと思います。
それだけ「世界」から
彼女=ファッションデザイナー
と思われていますし、
高い評価を受けています。
しかし彼女にとって
彼女は服作りをしていくなかで、
ファッションはビジネスのなかで
扱う素材となっていった
そして
これまでになかった服を
作り続けることにこだわる事によって
「ビジネスが成功できた」
という意義の言葉を残しています。
このように最初は
「服を作ること」に
重きを置いていた彼女も、
20のブランドを抱えている一大ブランド
コムデギャルソンが成長していくにつれて
ビジネスとして成り立たなければ
服作りができないことを、
周囲が思っている以上に
深く考えているのではないでしょうか。
服作りがブランドのすべてではなく、
あくまでビジネスが成り立たなければならない
というファッションデザイナーとしては、
一歩引いたラインから
ファッション業界を見ているのではないでしょうか。
いつも同じ髪型と黒い服装をして、
滅多にメディアに出ない
ミステリアスな川久保玲は、
ファッションデザイナーとしてはもちろん、
経営者としても冷静沈着で
只者ではないことがわかると思います。
また川久保は「日本出身」という
アイデンティティを深く
考えている側面もあるようです。
彼女のデザインで使われる素材の多くを、
国産にこだわっています。
これは、
彼女が高い品質と技術力を持っているのは、
日本である考えているようで、
日本でも素晴らしいものを作れることを
海外に見せたいと彼女は考えています。
しかし日本の繊維産業は、
衰退の一途を歩んでいます。
川久保が望む素材や繊維を作ることが
徐々に難しくなってきているのが現状です。
この現状をデザイナーとしてだけでなく、
日本人としても悲しんでいることでしょう。
彼女の輝かしい受賞歴をおおよそまとめてみました。
フランスからは
1992年
フランス芸術文化勲章シュバリエ賞
2004年
国家功労勲章
アメリカからは
2012年
ファッションのオスカー賞と呼ばれるCFDA賞
日本からは
2001年
2003年
朝日賞などなど
を受賞しています。
またイギリスでは
世界最高の
アート・デザイン分野の教育機関
で博士号を授与されています。
2017年にはニューヨークの
メトロポリタン美術館で個展を開いています。
存命中では、稀代の天才イヴ・サンローランに
次いで史上2人目の快挙です。
彼女の静かながらも強い反骨精神から
生み出される作品は、
世界で称賛され、圧倒的な権威を形作っています。
彼女のデザインと生き様は、
ファッション界だけでなく、
世界中のさまざまな人に勇気と希望を与えています。
彼女と同じ日本に生まれたことを誇りに思っています。
最初、僕は彼女のことを「怪物」と表現しています。
それは彼女がファッション界の常識を
何度も破壊する大きな存在だと感じたからです。
時間がある時にコムデギャルソンの
コレクションを見たり、
店頭に行かれてみてはいかがでしょうか。
あなたの人生をより豊かにしてくれることでしょう。
以上川久保玲さんの紹介でした。